2010年06月09日

「鮫を撃つ」

★この案を創作に使用するのは自由ですが連絡してください★

「鮫を撃つ」
まず、物理的展開。
舞台は架空の世界だが日本の明治。海沿いの町。
直径1〜2メートルのクラゲが死ぬと空中まで浮上する。
空気より軽い気体が体内に発生するからだ。クラゲの体はビニールであり
(劇中でビニールとは言わないが)靴や傘や合羽などに
加工され生活を支えている。風の具合で降りてきたときに
長いトビクチで捕獲する。
サメはときおりジャンプしてクラゲを食う。
或るサメはたくさん食ったため自身宙に浮くようになり、
それゆえクラゲを食いつくしそうになる。
原始的な武器
(3メートルほどの筒に自然体で伸びた強靭なバネを入れて
ひきがねでロックを解いて矢を放つ。台座の上で回転・
上下角可動。射程60メートルほど。
風船として破ればサメは落ちる)で退治する。
バネを引くには変速歯車や滑車を組んで長距離を巻くか、
おもりの落下と結びつけるかする。落下プランは高い位置から
落とすか古井戸など縦穴を用いる。
おとりとして作り物のクラゲ(干し草を詰めるなどしてふくらみを保つ)を
長い棒で支える。
物理的展開おわり。
クラゲが浮くのは惑星カオスと同じだが、
作家が同じなのだからこの程度の共通点はある。

ここからは人間ドラマについて。
社会派案とメロドラマ案がある。
後者は前者にエピソードを足して、前者ぶんの描写を圧縮する。
位置関係や輸送方法にリアリティが要るので地図を描いて
考える。バネは熱く柔らかい鉄棒を円筒に手作業で巻いて作るので
不良品もあり、それを得て歪みを含めて狙いをつけるか、
試作品の部品から得るか、目的に応じて作るか、だろう。
機関車工場か何かで。古井戸案なら射鮫機接地位置と近いとは
限らないので中継滑車を固定してケーブルを巡らせることになるし
おもりを落とすのは射撃のほぼ直前(メカが長時間安定しない)なので
合図も必要である。各作業に多くの人と、いくつもの立場や利害を
描くのでしぜんに社会的ドラマになる。
たとえば発案者はバネでひらくワンタッチ傘の研究者で、
メカを実現するのは独学で読み書きと数学の
できる子供という具合だ。

メロドラマ案なら
文盲で学歴を嫌う(妻の病死と関係あり)頑固な漁師がいて
二十歳の娘と10才の息子(孤児をきまぐれにひきとった)がいる。
娘と結婚を望む鉄道の技術者がメカの発案者であり
案を実行するため退職をせまられる。
10才児は或る日事故で頭を打って
しゃべられなくなるが、これはあとで文字を父親に教えるための
芝居と判明する。賢い子供であり医者も味方している。
これを段階的に、うまいタイミングで明かしてゆくことが
構成の節目である。
父は発射直前の不具合を(むろんなにか道具を使うが)
怪力でフォローする。
ラストシーンは父が鮫ではなく鯛を捕る船に乗る
(結婚式はすぐ簡素に行うものとあらかじめ示しておく)
かなんかにすればよい。
メロドラマと言ってもテレビみたいに顔のアップを
たくさん見せるわけではなく
象徴的なシーンで高密度に進むのであって
その多くは大きなコマに小さな絵で広い光景である。
ただし子供の芝居を段階的に明かすのだから
或る程度の長さが必要で、メロドラマなら60ページ
というところだ。したがって最初の一本には、
やや向かない。


posted by スナノ at 09:49| 実践的解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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